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--- description: エラーハンドリングの基本原則と実装ガイドライン ruleId: error-handling-01jpcvxfxca2m945xeb4tjn959 tags: [development, error-handling, guidelines] aliases: [error-guidelines] globs: ["**/*.go", "**/*.rs", "**/*.scala", "**/*.java", "**/*.ts", "**/*.js"] --- # エラーハンドリングのルール ## 基本原則 エラーハンドリングは「回復可能性」を基準に設計します。適切なエラーハンドリングにより、コードの堅牢性と保守性が向上します。 ## 回復可能なエラー プログラムの実行を継続できるエラーには、戻り値型を活用します。 ### 戻り値型の選択 | 言語 | 推奨戻り値型 |。 |------|--------------|。 | Java | `vavr`の`Either<E, T>`型 |。 | Scala | 標準ライブラリの`Either[E, T]`型 |。 | Rust | 標準ライブラリの`Result<T, E>`型 |。 | Go | `samber/mo`の`Either[E, T]`型 |。 | TypeScript | `fp-ts`の`Either<E, T>`型 |。 ### 回復可能なエラーの代表的なケース 1. **ドメインモデルでのビジネスルール違反**。 - バリデーションエラー。 - 在庫不足。 - 権限不足。 1. **リポジトリでの外部データアクセスエラー**。 - データベース接続の一時的エラー。 - 外部APIからの予期されたエラーレスポンス。 - 楽観的ロックによる競合。 1. **ユースケースでのアプリケーションロジックエラー**。 - ワークフロー状態の遷移エラー。 - 依存サービスからの回復可能なエラー。 ## 回復不能・致命的状況 プログラムの実行を継続できない、回復不能・致命的な状況では、キャッチしない例外やパニックを使用します。 ### 引数としてありえない状況 | 言語 | 対応方法 | |------|----------| | Java/Scala | `IllegalArgumentException` | | Rust | `panic!` | | Go | `panic` | | TypeScript | `IllegalArgumentError` (型がなければ作る) | ### 状態としてありえない状況 | 言語 | 対応方法 | |------|----------| | Java/Scala | `IllegalStateException` | | Rust | `panic!` | | Go | `panic` | | TypeScript | `IllegalStateError` (型がなければ作る) | ### 本来発生しない箇所（到達不可コード） | 言語 | 対応方法 | |------|----------| | Java/Scala | `AssertionError` | | Rust | `panic`または`unreachable!()` | | Go | `panic` | | TypeScript | `AssertionError` (型がなければ作る) | ## エラーハンドリングの設計指針 エラーハンドリングの設計時には、以下の質問に答えてください： 1. **このエラーは回復可能か？**。 - はい → `Either`/`Result`型を使用。 - いいえ → 例外やpanicを使用。 1. **エラーの性質は何か？**。 - 引数の問題 → `IllegalArgumentException`。 - 状態の問題 → `IllegalStateException`。 - 到達不能 → `AssertionError`。 1. **エラー発生時に期待される動作は？**。 - 代替パスの実行。 - リトライ。 - ユーザーへの通知。 - ログ記録。 適切なエラーハンドリングは、プログラムの堅牢性、可読性、保守性を向上させます。