Coverity Connect MCP Server

# Visual Studio Code での MCP サーバー設定手順 ## 概要 Model Context Protocol (MCP) サーバーを Visual Studio Code に組み込み、GitHub Copilot の Agent Mode で外部ツールやサービスと連携する方法を説明します。 ## 前提条件 - **Visual Studio Code 1.102 以降** - **GitHub Copilot 拡張機能**がインストール済み - **GitHub アカウント**でサインイン済み - **Node.js** (MCPサーバーがNode.js製の場合) ## 1. Agent Mode の有効化 ### 1.1 GitHub Copilot Chat の設定 1. **Chat ビューを開く** - ショートカット: `Ctrl+Alt+I` (Windows/Linux) または `⌃⌘I` (Mac) - またはサイドバーの「Chat」アイコンをクリック 2. **GitHub にサインイン** - GitHub Copilot の機能を使用するために必要 3. **Agent Mode を有効化** - 設定で `chat.agent.enabled` を `true` に設定 - または設定 UI で「Chat: Agent Enabled」を有効化 4. **Agent モードに切り替え** - Chat ビューのモード選択ドロップダウンで「Agent」を選択 ## 2. MCP サーバーの追加方法 ### 方法1: コマンドパレット経由（推奨） 1. **コマンドパレットを開く** - `Ctrl+Shift+P` (Windows/Linux) または `Cmd+Shift+P` (Mac) 2. **MCP サーバーを追加** - `MCP: Add Server` コマンドを実行 - サーバーの種類を選択： - **NPM パッケージ**: Node.js製のサーバー - **コマンド (stdio)**: 実行可能ファイル - **HTTP**: リモートサーバー - **Docker イメージ**: コンテナとして実行 3. **設定の保存先を選択** - **ワークスペース**: `.vscode/mcp.json` に保存（プロジェクト固有） - **グローバル**: ユーザー設定に保存（全プロジェクト共通） ### 方法2: 手動設定ファイル作成 #### ワークスペース設定の場合 1. **設定ファイルの作成** ``` プロジェクトルート/ ├── .vscode/ │ └── mcp.json ← ここに作成 └── その他のファイル... ``` 2. **設定ファイルの内容** ```json { "mcpServers": { "サーバー名": { "command": "実行コマンド", "args": ["引数1", "引数2"], "env": { "環境変数名": "値または${input:variable_name}" } } } } ``` ## 3. 具体的な設定例 ### 3.1 Roam Research MCP サーバー ```json { "mcpServers": { "roam-research": { "type": "stdio", "command": "npx", "args": ["roam-research-mcp@0.30.2"], "env": { "ROAM_API_TOKEN": "${input:roam_api_token}", "ROAM_GRAPH_NAME": "${input:roam_graph_name}", "MEMORIES_TAG": "${input:memories_tag}" } } }, "inputs": [ { "id": "roam_api_token", "type": "promptString", "description": "Enter your Roam Research API token" }, { "id": "roam_graph_name", "type": "promptString", "description": "Enter your Roam Research graph name" }, { "id": "memories_tag", "type": "promptString", "description": "Enter the tag to use for memories (default: #[[LLM/Memories]])" } ] } ``` ### 3.2 Coverity Connect MCP サーバー ```json { "mcpServers": { "coverity-connect": { "type": "stdio", "command": "node", "args": ["C:\\path\\to\\coverity-connect-mcp\\dist\\index.js"], "env": { "COVERITY_URL": "${input:coverity_url}", "COVERITY_USERNAME": "${input:coverity_username}", "COVERITY_PASSWORD": "${input:coverity_password}" } } }, "inputs": [ { "id": "coverity_url", "type": "promptString", "description": "Enter Coverity Connect URL" }, { "id": "coverity_username", "type": "promptString", "description": "Enter Coverity username" }, { "id": "coverity_password", "type": "promptString", "description": "Enter Coverity password" } ] } ``` ## 4. MCP サーバーの管理 ### 4.1 サーバー一覧の確認 ``` コマンドパレット → MCP: List Servers ``` 表示される情報： - サーバー名 - 実行状態（実行中/停止中） - 設定ファイルの場所 ### 4.2 サーバーの操作 各サーバーで利用可能な操作： - **Start/Stop/Restart**: サーバーの開始・停止・再起動 - **Show Output**: サーバーログの表示（デバッグ用） - **Show Configuration**: 設定内容の表示 - **Browse Resources**: サーバーが提供するリソースの閲覧 - **Uninstall**: サーバーのアンインストール ## 5. Agent Mode での使用方法 ### 5.1 ツールの有効化 1. **GitHub Copilot Chat を開く** 2. **Agent モードに切り替え** 3. **「Select Tools」ボタンをクリック** 4. **使用したいMCPツールを選択** ### 5.2 使用例 #### Roam Research の操作 ``` Roam Researchの今日のデイリーページに「MCPサーバーのテスト」というメモを追加してください ``` ``` Roam Researchで「プロジェクト管理」というタイトルのページを検索して内容を教えてください ``` #### Coverity Connect の操作 ``` Coverityで重要度の高い欠陥を検索して、その詳細を教えてください ``` ``` プロジェクトのセキュリティ関連の欠陥を調べて、修正の優先順位を教えてください ``` ### 5.3 ツールの明示的な指定 プロンプト内で `#` を使ってツールを明示的に指定することも可能： ``` #roam_create_page を使って新しいページを作成してください ``` ## 6. セキュリティとベストプラクティス ### 6.1 セキュリティ注意事項 ⚠️ **重要**: MCP サーバーはマシン上で任意のコードを実行する可能性があります。 - 信頼できるソースからのサーバーのみを追加 - 公開者とサーバー設定を事前に確認 - 本番環境では十分な検証を実施 ### 6.2 認証情報の管理 **❌ 避けるべき方法:** ```json { "env": { "API_TOKEN": "sk-1234567890abcdef" // ハードコーディング } } ``` **✅ 推奨する方法:** ```json { "env": { "API_TOKEN": "${input:api_token}", // 入力変数 "API_TOKEN": "${env:MY_API_TOKEN}" // 環境変数 } } ``` ### 6.3 チーム開発での共有 - `.vscode/mcp.json` をバージョン管理に含める - 機密情報は環境変数または入力変数を使用 - `README.md` に必要な環境変数を文書化 ## 7. トラブルシューティング ### 7.1 よくある問題 **サーバーが起動しない** - パスが正しいか確認 - 依存関係（Node.js、npm パッケージ）がインストールされているか確認 - `MCP: List Servers` → `Show Output` でログを確認 **ツールが表示されない** - サーバーが正常に起動しているか確認 - Agent Mode が有効になっているか確認 - VS Code を再起動してみる **認証エラー** - 環境変数や入力変数の値が正しいか確認 - API トークンの有効期限を確認 ### 7.2 ログの確認方法 ``` MCP: List Servers → 対象サーバーを選択 → Show Output ``` ## 8. 参考リンク - [VS Code MCP サーバー公式ドキュメント](https://code.visualstudio.com/docs/copilot/chat/mcp-servers) - [Model Context Protocol 仕様](https://modelcontextprotocol.io/) - [公式 MCP サーバーリポジトリ](https://github.com/modelcontextprotocol/servers) - [VS Code MCP サーバー一覧](https://code.visualstudio.com/mcp) --- この手順に従うことで、Visual Studio Code で MCP サーバーを効果的に活用し、GitHub Copilot の Agent Mode を拡張できます。