Obsidian MCP Server

# Slack MCP Server セットアップガイド（Claude Code） このガイドでは、WSL2環境（Ubuntu）でClaude CodeからSlackを操作できるようにするMCP（Model Context Protocol）サーバーの設定手順を詳しく説明します。 ## 目次 1. [前提条件](#前提条件) 2. [Slack Bot Tokenの取得](#slack-bot-tokenの取得) 3. [MCPサーバーのセットアップ](#mcpサーバーのセットアップ) 4. [トラブルシューティング](#トラブルシューティング) 5. [使用例](#使用例) ## 前提条件 - **Claude Code (CLI)** がインストール済み - **Node.js/npm** が利用可能（nvmでインストールされたものでもOK） - **Slack Workspace** の管理者権限またはApp作成権限 - **WSL2** 環境（Windows上でLinuxを使用している場合） ## Slack Bot Tokenの取得 ### 1. Slack Appを作成 1. [Slack API](https://api.slack.com/apps) にアクセス 2. 「Create New App」をクリック 3. 「From scratch」を選択 4. App名とWorkspaceを設定 ### 2. OAuth & Permissionsの設定 1. 左側メニューから「OAuth & Permissions」を選択 2. 「Bot Token Scopes」セクションで以下のスコープを追加： - `channels:read` - チャンネル情報の読み取り - `channels:history` - チャンネルメッセージ履歴の読み取り - `chat:write` - メッセージの投稿 - `users:read` - ユーザー情報の読み取り - `reactions:write` - リアクションの追加 - `groups:read` - プライベートチャンネルの読み取り（必要な場合） ### 3. Appのインストールとトークン取得 1. 「Install to Workspace」をクリック 2. 権限を確認して許可 3. 「Bot User OAuth Token」（`xoxb-`で始まる）をコピー ### 4. 必要な情報の収集 - **Bot Token**: `xoxb-xxxx-xxxx-xxxx` 形式 - **Team ID**: ワークスペースのID（`T`で始まる） - **Channel IDs**: アクセスを許可するチャンネルのID（`C`で始まる） Team IDとChannel IDsは、Slackのウェブ版でチャンネルを開いた時のURLから確認できます： ``` https://app.slack.com/client/{TEAM_ID}/{CHANNEL_ID} ``` ## MCPサーバーのセットアップ ### 1. 必要なパッケージのインストール ```bash # グローバルにインストール（推奨） npm install -g @modelcontextprotocol/server-slack ``` ### 2. MCPサーバーの追加 **重要**: 以下のコマンドを正確に実行してください。特に`--`の位置が重要です。 ```bash claude mcp add slack -e SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-your-token-here \ -e SLACK_TEAM_ID=T06EW1FJ9T6 \ -e SLACK_CHANNEL_IDS=C07C9CMPX0V \ -- npx -y @modelcontextprotocol/server-slack ``` **コマンドの構成要素の説明**: - `claude mcp add slack`: `slack`という名前でMCPサーバーを追加 - `-e KEY=value`: 環境変数の設定（複数可） - `--`: CLIオプションとコマンド引数の区切り文字（必須） - `npx -y @modelcontextprotocol/server-slack`: 実行するコマンド ### 3. 設定の確認 ```bash # MCPサーバーリストを確認 claude mcp list # 詳細設定を確認（環境変数が正しく設定されているか確認） claude mcp get slack ``` ### 4. Claude Codeの再起動 **重要**: MCPサーバーの設定変更は、Claude Codeを再起動しないと反映されません。 ```bash # 1. 現在のセッションを終了 /exit # 2. 新しいセッションを開始 claude # 3. MCPの状態を確認 /mcp ``` `✓ connected`と表示されれば成功です。 ### 成功時の表示例 ``` Manage MCP servers ❯ 1. slack ✔ connected · Enter to view details ``` ## トラブルシューティング ### よくある問題と解決方法 #### 1. `spawn npx ENOENT`エラー **症状**: ``` Connection failed: Error: spawn npx @modelcontextprotocol/server-slack ENOENT ``` **原因**: - npxコマンドがPATHに含まれていない - コマンドの形式が間違っている **解決方法**: 1. npxの場所を確認： ```bash which npx ``` 2. npmが正しくインストールされているか確認： ```bash npm --version ``` 3. 必要に応じてnpmを再インストール #### 2. 環境変数が正しく渡されない **症状**: - MCPサーバーは起動するが、Slackに接続できない - 認証エラーが発生する **原因**: - 環境変数の指定方法が間違っている - 古い形式のコマンドを使用している **誤った例**: ```bash # これは動作しません claude mcp add slack "npx @modelcontextprotocol/server-slack" \ -e SLACK_BOT_TOKEN="xoxb-xxx" ``` **正しい例**: ```bash # 環境変数を先に、--の後にコマンドを記述 claude mcp add slack -e SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-xxx \ -- npx -y @modelcontextprotocol/server-slack ``` #### 3. フルパスの問題 **症状**: ``` spawn /full/path/to/node /full/path/to/server ENOENT ``` **原因**: - フルパスで指定すると、全体が1つのコマンドとして解釈される **解決方法**: - npxを使用してパッケージ名で指定する（推奨） - グローバルインストールして直接実行する #### 4. MCPサーバーが`failed`状態のまま **症状**: - `/mcp`を実行しても「✘ failed」と表示される - 再起動しても改善しない **解決方法**: 1. エラーログを確認： ```bash # ログディレクトリを確認 ls -la ~/.cache/claude-cli-nodejs/*/mcp-logs-slack/ # 最新のログを表示 tail -n 50 ~/.cache/claude-cli-nodejs/*/mcp-logs-slack/*.txt ``` 2. 既存の設定を削除して再設定： ```bash claude mcp remove slack claude mcp add slack -e SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-xxx \ -e SLACK_TEAM_ID=Txxx \ -e SLACK_CHANNEL_IDS=Cxxx \ -- npx -y @modelcontextprotocol/server-slack ``` 3. Claude Codeを必ず再起動： ```bash /exit claude ``` ### デバッグモード 問題が解決しない場合は、デバッグモードで実行： ```bash claude --debug ``` これにより、詳細なエラーログがインラインで表示されます。 ## 使用例 MCPサーバーが正常に接続されたら、以下のような操作が可能になります： ### チャンネル一覧の取得 ``` 「Slackのチャンネル一覧を見せて」 ``` ### メッセージの投稿 ``` 「#generalチャンネルに'テストメッセージ'を投稿して」 ``` ### 最近のメッセージの取得 ``` 「#generalチャンネルの最近のメッセージを10件取得して」 ``` ### リアクションの追加 ``` 「最後のメッセージに👍のリアクションを追加して」 ``` ## まとめ Slack MCPサーバーのセットアップで最も重要なポイント： 1. **環境変数の指定方法**: `-e KEY=value`形式で、`--`の前に配置 2. **コマンドの区切り**: `--`でCLIオプションとコマンドを明確に分離 3. **再起動の必要性**: 設定変更後は必ず`/exit`してから再起動 4. **デバッグ**: 問題が発生したらログを確認し、`--debug`モードを活用 これらの点に注意すれば、スムーズにセットアップできるはずです。