DCF評価
get_dcf_valuation銘柄コードを指定して、DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法による理論企業価値の内訳と 感度分析を取得します。6軸スコアの割安度(valuation軸)の主指標(ウェイト50%)として 内部で使われているDCFモデルと完全同一の計算ロジックを、内訳付きで露出したものです。 株主優待は評価に含めません(優待制度がある銘柄には caveats で知らせます)。
【関連ツール】「○○を分析して」のような総合的な分析には get_stock_analysis が便利です(財務・理想株価・6軸スコア・DCF・業種比較・会社予想を1回でまとめて返します。返したセクションの数ぶん、最大6回分の利用回数を使います)。 このツールは、全年度・内訳・注意事項の全文など、個別の深掘りに向いています。 割安/割高を見る材料は get_edinet_financial_data(財務)・get_ideal_price(理想株価レンジ)・get_stock_score(6軸スコア)・get_dcf_valuation(DCF評価)・get_industry_benchmark(業種比較。codes にその銘柄を渡す)に分かれており、1つだけでは判断材料が偏ることがあります。
【FCFの定義差に注意】本ツールの baseFCF は「営業CF−設備投資−リース債務の返済」です(dcfAvailable=false 時の fcfSeries も同じ定義)。 get_edinet_financial_data が返す fcf は「営業CF+投資CF」(簡易FCF)で、別物の指標です。 投資CFには資産売却・M&A・有価証券の取得等が丸ごと乗るため、事業のキャッシュ創出力を 見るDCFでは前者を使います。両者は同じ「FCF」表記でも値が数倍違うことがあります (実例: 9434 ソフトバンクの2026年3月期は簡易FCF 1,229億円に対し営業CF−設備投資 6,485億円)。 どちらの定義の数字かは項目名で区別できます。
モデル概要(ベースシナリオ): WACC 6.5% / 永続成長率 1.0% / 予測期間5年 / ベースFCF=直近最大5年平均FCF(営業CF-設備投資-リース債務の返済)/ 成長率=売上高3年CAGR×0.5を-5%〜+10%にクランプして適用。 理論企業価値(EV) = 予測期間FCFの現在価値合計 + ターミナルバリューの現在価値(連結=子会社の100%を含む事業価値)。 親会社の株主に帰属する価値(equityValueToParent) = (EV + max(netCash, 0)) × parentShare。 netCash は清原式ネットキャッシュ(現金預金 + 有価証券 + 投資有価証券×0.7 − 有利子負債)。正のときだけ足し、 純有利子負債は引かない(baseFCF は多くの会社で利息の支払い後の営業CFから出しているため、引くと負債のコストを二重に数える)。 parentShare は親会社の株主の取り分 = 1 − 直近5期(親会社帰属が黒字かつ非支配帰属が0以上の期)の非支配帰属の合計 ÷(親会社帰属の合計 + 非支配帰属の合計)。 最新期の親会社帰属が赤字・条件を満たす期が3期未満などで利益の比が使えないときは 非支配株主持分 ÷(自己資本 + 非支配株主持分)で除く。 乖離率(%) = (equityValueToParent / 時価総額 - 1) × 100(正=割安、負=割高)。時価総額・株数は親会社の株主の分なので、比べる相手を揃えている。
返却フィールド:
base: ベースシナリオ(WACC6.5%・永続成長率1.0%)の内訳 wacc / terminalGrowth / forecastYears / baseFCF / fcfGrowth / pvForecast / terminalValue / pvTerminal / enterpriseValue / equityValueToParent / equityBridge / gapPercent / currentPrice / currentPriceSource / impliedSharePrice
base.equityBridge: EV から equityValueToParent への内訳。netCash(最新期の値)/ netCashAdded(足した額 = max(netCash, 0)。 無い年度は null で netCashUnavailable=true)/ equityValueConsolidated(EV + netCashAdded)/ parentShare・nonControllingShare / parentShareBasis(profit=利益の比 / book_parent_loss(当期の親会社帰属が0以下)・book_nci_loss(当期の非支配帰属が赤字)・book_parent_and_nci_loss(両方)・book_no_parent_profit_field・book_no_profit_field・book_insufficient_profit_periods(利益の比を取れる期が3期未満)=持分の比 / no_nci=非支配なし / unavailable_usgaap・unavailable=除けていない)/ fiscalYearEnd
currentPrice: 市場の株価ではなく、最新決算期末時点の擬似株価(有報の PER×EPS 等から復元)。 currentPriceAsOf がその決算期末日、currentPriceAgeMonths / currentPriceFreshness が経過月数と鮮度 (fresh≦3ヶ月 / aging≦6 / stale≦12 / obsolete)。株価が大きく動いた銘柄では乖離率を割り引いて読むこと。
currentPriceSource: currentPrice の算出根拠。per_eps=通常のPER×EPS / tsr_backsolved=赤字等でPER×EPSが算出不能な年度に限り、有報の株主総利回り(TSR)5年推移表から 逆算したフォールバック(実測誤差: 赤字等で実際に使われた170社・2026-10時点で中央値0.09%・最大3.4%)/ tsr_backsolved_extended=従来のTSR逆算で値が出ない会社に限り、5年前(TSR表の基準年度)の株価も候補に加え、PER×EPS が無い年度の株価をその年度までのTSR逆算値で1段だけ代替した予備経路(バックテスト誤差: 中央値0.15%・p95 1.89%・10%超0.4%) / per_eps_nonconsolidated=上の3つがどれも出ない会社に限り、有報の提出会社(単体)の PER × 単体の EPS(連結が赤字で連結の PER が空欄の会社など。株価は連結・単体で同じ。連結の PER×EPS との一致度は、両方ある会社で中央値0.08%・p99 1.57%。この経路で値が出る12社では期末の終値との差が10社で0.25%以内、5026は+7.29%・9219は+9.87%(原本の単体 PER 自体が期末とは別の日の株価で計算されているため)。同じ有報の当期の最高・最低株価の範囲内のときだけ使う) / user-provided=擬似株価をどちらの方法でも算出できない銘柄で、currentPrice 引数を渡したときだけ、 その株価で時価総額を組んで計算した(currentPriceAsOf・鮮度は null、gapPercent=gapPercentAtCurrentPrice)。
sensitivity: WACC{5.5, 6.5, 8.0}% × 永続成長率{0, 1, 2}% の3×3=9パターンの配列。 各要素は wacc / terminalGrowth / isBase / enterpriseValue / equityValueToParent / gapPercent / impliedSharePrice。
impliedSharePrice: 1株理論価格 = 現値 × (1 + gapPercent/100) = equityValueToParent ÷(発行済株式数 − 自己株式数)
base.fcfGrowthBasis: 成長率の根拠(売上の始点・終点の年度と値、売上3年CAGR%)。fcfGrowth = CAGR×0.5 を −5%〜+10% にクランプ。売上3年CAGR は最新期と3期前で取り、4期が12か月の決算で1年おきに並ばない・ どちらかの売上が取れていないか0以下なら null(成長率0%)
base.fcfSeries: baseFCF の平均に使った年度ごとの営業CF・設備投資・リース返済・FCF(検算用)。 設備投資は CF計算書の有形固定資産+無形資産の取得の支出(売却収入は差し引かない)。CF計算書に投資不動産 (賃貸ビル等)の取得の行があればそれも含み、そう分かった年度は capexIncludesInvestmentProperty=true が付く。付かない年度でも、CF計算書の行が「有形固定資産及び投資不動産の取得」のような会社(2120・2811・5411・9158 等)は投資不動産を含む。無形の取得が「無形資産及びその他の資産」「無形固定資産・投資等」の合算行で書かれた会社(2220・5021・9437)は、その合算額を無形として含む。 不動産業など賃貸物件を積み増す会社では、投資不動産の取得の分だけFCFが小さく出る。
currentPrice 引数を渡した場合のみ: base と sensitivity の各要素に gapPercentAtCurrentPrice (渡された株価で計算し直した乖離率)、base に providedCurrentPrice / providedCurrentPriceSource("user-provided")。 gapPercent・currentPrice(擬似株価基準)は変更されません。
caveats: モデルの限界に関する注意書き(下記参照)
modelFit: 不動産業で棚卸資産(販売用不動産)が総資産の30%以上の分譲型のときだけ付く { fit: false, reason: "real_estate_inventory_heavy", inventoryToAssets }。販売用不動産の仕入れが営業CFに入り 5年平均FCFが大きく振れるため、DCFの理論企業価値・gapPercentは参考にならない(値は変えていない)。 その場合は caveats の先頭に強い注意書きが付く。fcfSeries の符号の推移やBPS・PBR等の別の物差しで見ること。
modelInputs: 算出の前提となった事実。fcfYield(%) / negativeFCFYears
gapSuppressed / gapSuppressedReason: 金融事業が大きい会社のときだけ付く。このとき gapPercent・impliedSharePrice・sensitivity の乖離率(gapPercentAtCurrentPrice を含む)・modelInputs.fcfYield は null。 対象は (1) 金融業(銀行・保険・証券・その他金融)/ (2) 金融事業のセグメント(販売金融・金融サービス・カード等)の 資産が総資産の30%以上(例: 自動車メーカーの販売金融)/ (3) 割賦売掛金・営業貸付金・リース債権が総資産の30%以上。 このDCFは理論企業価値に正のネットキャッシュだけを足して時価総額と比べ、有利子負債を差し引いていないため、貸出の原資として 多額の負債を持ち営業CFに貸出債権の増減が混ざる会社では、乖離率が判断材料になりません。gapSuppressedReason.type が financial_sector / finance_segment / credit_receivables のどれか、message に理由。EV・baseFCF 等の内訳は参考として返します。 この場合、割安/割高の判断には DCF ではなく PBR・ROE・配当利回り等の別の物差しが向いています。
⚠️ このDCFモデルは全銘柄に当てはまるわけではありません。 実測(933銘柄・2026-09-11)でDCF算出成功597件のうち約27%が、 理論株価がBPSの0.3倍未満または3倍超という極端な値になりました。 データの誤りではなく、5年単純平均FCFが投資サイクルを平滑化しきれない というモデル側の限界です。資本集約型の業種で起きやすくなります。
modelInputs.negativeFCFYears が空でないとき、modelInputs.referenceExcludingNegativeFCFYears に 「FCFマイナスの年を除いた平均で同じ式を計算した参考値」(baseFCF・enterpriseValue・impliedSharePrice)を返し、 caveats にも注記します(base の値は変わりません。マイナスの年を除くのが正しいという意味ではありません)。 modelInputs.fcfYield は判定結果ではなく前提の提示ですが、目安になります。 実測の中央値は 過小側0.89% / 正常群4.63% / 過大側7.05% で、 1%未満だと理論株価がBPSを大きく下回る側に振れやすくなります(精度77.8%)。 ただし過大側の判別材料は未検討で、fcfYield が高いことは異常の証拠になりません。
理論株価だけで「割安」「割高」を結論づけるには限界があり、get_ideal_price・get_stock_score と 突き合わせると判断材料の偏りを減らせます。
注意(caveats):
平均FCFベースのため、一過性項目(特別損益等)の影響を受ける場合があります。
低WACCシナリオ(5.5%)はシクリカル株で理論価値が過大に出やすいため、ベース(6.5%)を 無視して高い数字だけを拾うと過大評価になります。
高WACC上限は8.0%までのため、実態WACCが10%超になる成長株・高リスク銘柄では 全シナリオが割安に見えても過信は禁物です。
netCash が無い年度(有利子負債が取れない等)は何も足さず、非支配の取り分を除けない会社(米国基準等)は 100%として計算します。その場合と、純有利子負債を引いていない会社(負債の返済負担が重いと理論価値が高めに出る)は caveats に書きます。
baseFCF は直近最大5年の単純平均のため、直近2期のFCFが平均を大きく上回っている (成長途上、または一過性の入金等)企業では直近の実力より小さく出ることがあります (本番実測: 直近2期連続でbaseFCFの1.5倍以上になる銘柄はDCF算出可能銘柄の約1割強)。 該当する場合のみ caveats に注記します。
marketCap(時価総額)が算出できない銘柄(PER/EPS/発行済株式数のいずれか欠損)はDCF算出不可です。 ただし擬似株価だけが算出できない(赤字で PER なし・TSR逆算も不成立)場合は、currentPrice 引数を渡せば その株価で算出します(currentPriceSource=user-provided)。
最新期の BPS・EPS が過去の年度と桁違いの株数基準で書かれている会社(splits.json に記録の無い株式併合。 上場廃止後のスクイーズアウト等)は、株数の基準が決められず時価総額を組めないため、currentPrice を渡しても dcfAvailable=false・unavailableReason="share_basis_break"・shareBasisBreak・reason を返します。
FCF系列が2年未満、または直近平均FCFが負の銘柄はDCF算出不可です。 この場合エラーではなく dcfAvailable=false と fcfSeries(FCF推移)を返します。 算出できたときは dcfAvailable=true を返します(base・scenarios などが入ります)。 reason で「平均は負だが最新期は黒字」か「構造的にFCF不足」かを区別できます。
fcfSeries[].missingReason: freeCashFlow が null の年度の理由(営業CF・設備投資の データ欠損)。業種/業態でDCF対象外の銘柄(reason参照)では、その欠損自体が 評価の可否に影響しない旨を末尾に補記します(欠損の事実は変わりません)。
関連ツール: 財務の詳細は get_edinet_financial_data、理想株価は get_ideal_price、 6軸スコアは get_stock_score。
応答の metricLabels は英語キー→日本語指標名の対訳です。利用者向けには日本語名(例: enterpriseValue→「理論企業価値」)のほうが伝わりやすくなります。 データ品質・値の異常・不具合に触れる場合も同様で、フィールド名を示すときは「発行済株式数(sharesOutstanding)」のように日本語を主・英語キーを括弧内にすると読みやすくなります。
応答の watchlistSuggestion は、この銘柄が利用者の監視リストに未登録のときだけ付く欄で、追加できるか(canAdd)・追加用のツール名(addTool)・監視の件数(watchlistCount)と上限(watchlistLimit。null は上限なし)を持ちます。上限に達しているときは canAdd が false で reason が limit-reached です。
※ 本データは情報提供を目的とし、投資助言・推奨ではありません。
Input Schema
| Name | Required | Description | Default |
|---|---|---|---|
| code | Yes | 証券コード(例: 7203) | |
| currentPrice | No | 省略可。利用者自身が確認した現在の株価。本サービスは株価を提供しないため、利用者が別途調べた値を渡してください。渡した場合、その株価で計算し直したgapPercentAtCurrentPrice を base と sensitivity の各要素に追加で返します(既存の gapPercent・currentPrice は決算期末の擬似株価基準のまま変更されません)。擬似株価を算出できない銘柄(赤字で PER なし等)では、この株価で時価総額を組んで DCF を返します(currentPriceSource=user-provided)。 |